AFLの戦い方 <Phil Walsh 1960-2015>

2015/07/09

7月3日(金)のアデレード。町は悲報で目を覚ました。
アデレード・クローズの監督Phil Walsh氏が事件に巻き込まれて亡くなった。
55歳。監督1年目だった。





AFLは公式サイトでいち早く事件を伝え、そして追悼の映像をアップした。
http://www.afl.com.au/video/2015-07-03/phil-walsh-his-life-in-pictures
 
フットボールファンならずともショッキングなニュース。
亡くなったPhil Walshの息子は父親を殺害した容疑で取り調べを受けている。
 
7月5日(日)に予定されていたアデレード・クローズとジロング・キャッツの試合は中止。0-0の引き分けとなり勝ち点を分け合うことに。
 
AFLのCEOは記者会見を開き、哀悼のコメントを寄せた。
AFLはPhil Walshの家族、アデレード・クローズと共にあると。
さらに中止になった試合について、旅行会社、航空会社、ホテルとも調整を続けており、試合に駆けつける予定だったファンのサポートにも対応するとした。
 
AFLはすべての試合を中止にしたかったようだが、事件前日の2日(木)にすでに1試合を消化していたため、アデレード・クローズ以外の試合は予定通り行うことで調整。各クラブはすべての事項に同意し、素早い対応を見せた。


 
アデレード・クローズのスタッフは会見を開いたが、動揺を隠しきれない。
「プレイヤーたちには普段通りにクラブに来て、声を掛け合うように促している。」と話した。練習に来るはずの監督が急に亡くなって動揺しないプレイヤーはいないだろう。
 
ファンはクラブに駆けつけ花束を供える。試合を開催する予定だったアデレードオーバルでは追悼セレモニーが行われ、試合開始予定時刻にはサイレンが鳴り響いた。
 




他のクラブの試合もいつもとは違う雰囲気。
試合前のバナーを突き破っての入場も、試合開始までのカウントダウンもなし。
左腕には皆が喪章をつけ、試合開始前には黙とう。
 




試合後、恒例のクラブソングはスタジアムに流れない。
両チームのプレイヤーが交互に肩を組んで輪になり、両チームの監督も肩を組んでその輪に加わる。
試合後とは思えない穏やかな時間が流れた。







AFLに関わる者が、AFLに貢献した者の死を悼んだラウンド14。
 
週が明けて、アデレード・クローズの新たな監督にアシスタントコーチのScott Camporealeが就任した。さらに監督を補佐するコーチングディレクターの役職を新たに設け、元ウエストコースト・イーグルスのプレミアシップコーチ、John Worsfoldが着任。
 
7月8日(水)に行われたアデレード・クローズのオープントレーニングには異例の3000人のファンが駆けつけた。


 
あるプレイヤーは事件後、初めてメディアの前で発言した。「今はたくさんの戸惑いがある。でも、監督はいつもプレイヤーにこう話していたんだ。ただやるべき事だけをきちんとやり遂げようって。」



7月11日(土)、クローズはイーグルスと戦う。
2週間ぶりの試合だ。
 
プレイヤーたちは何度ゴールを決め、何度天を仰ぐだろう。
 
試合が行われる日、現地パースの予報は晴れ。
誰にとっても、きっと絶好の観戦日和だ。

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